专利摘要:
本発明は、少なくとも1つの周期内において個々の層がその表面に形成された基材を含む多層構造を提供する。周期は、珪化マグネシウム(Mg2Si)を含む第1の層と、タングステン、タンタル、コバルト、ニッケル、銅、鉄、クロム、及びこれらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物、珪素、炭素,炭化珪素、ホウ素、及び炭化ホウ素の少なくとも1つを含む第2の層とを含む少なくとも2つの層と、を有する。周期が3つの層を含むものであれば、第2の層が珪素、炭素,炭化珪素、ホウ素、及び炭化ホウ素の1つを含み、第3の層がタングステン、タンタル、コバルト、ニッケル、銅、鉄、クロム、及びこれらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物の1つを含み、第2の層は第1の層と第3の層の間に配置される。周期が4つの層を含むものであれば、第4の層は珪素、炭素,炭化珪素、ホウ素、及び炭化ホウ素の1つを含み、第3の層は第2の層と第4の層の間に配置され、第4の層が多層周期nの第3の層と多層周期n−1の第1の層との間に配置される。
公开号:JP2011515661A
申请号:JP2010549851
申请日:2009-03-04
公开日:2011-05-19
发明作者:ユーリー;ワイ. プラトノフ、;一明 清水
申请人:リガク イノベイティブ テクノロジーズ インコーポレイテッド;株式会社リガク;
IPC主号:G21K1-06
专利说明:

[0001] 本発明は一般に、X線放射を反射するための多層構造と、蛍光X線分光法を介して試料の原子組成又は分子組成を分析するための関連する方法に関する。]
背景技術

[0002] X線放射によって操作する多層反射体又はブラッグ反射体は、構造を分析し、特定の原子又は分子の非存在又は存在を検出するのに利用されることが多い。そのような手段の1つは、蛍光X線分光法(XRF)として一般に知られる。そのような手段は、当該試料に存在する最少量の不純物を検出するのに有用である。たとえば、XRFは、高集積回路の基盤であるシリコン及びゲルマニウムのウエハーにおける不純物を検出するのに半導体産業で使用される。2種類のXRF方式が一般に使用される。エネルギー分散型分光法(EDS)では、試料からの幅広いエネルギーを検出器が受け取り、検出器は当該波長に基づいて選別するよう求められる。波長分散型分光法(WDS)では、収集光学部品がフィルターとして作用し、当該波長のみを検出器に伝える。各アプローチはその長所と短所を有する。たとえば、EDSシステムは、広い範囲にわたって波長を検出することができるが、感度に限界を有する。WDSシステムは、高いエネルギー分解能と感度を有するが、特定の当該元素の波長のみを検出するために設計される。]
[0003] 典型的なXRF/WDSの手段では、X線の放射場がシリコンウエハーのような試料に導かれる。衝突する放射は、蛍光の放射場を誘導し、それは多層反射体又はブラッグ反射体に入射する。蛍光の放射場は、多層によって測定検出器又は分析検出器に方向付けられる。]
[0004] WDSシステムでは、多層はブラッグの方程式を満たす蛍光放射が反射されるように方式において設計され、配向されるので、多層は反射光学系及び周波数選別器の双方として機能する。ブラッグの方程式は一般に: (1) nλ=2dsinθである。]
[0005] 式中、nは整数であり、λは最初のX線放射場の波長であり、dは多層の格子構造の周期性であり、2θは回折の角度である。]
[0006] ブラッグの方程式は、規則性の格子構造を有する特定の種類の天然の結晶について満たされる。しかしながら、典型的な結晶は数十ナノメートルの面間隔を有し、軟X線は1〜10ナノメートルの波長を有するので、そのような波長については、方程式(1)は満たされない。その結果、ブラッグ型の反射を用いた軟X線の分析については多層反射体又は「合成結晶」の反射体が必要である。]
[0007] 典型的な多層は、その上に2以上の異なった材料の層が順に堆積される基材から成り、厚さdの層の周期を形成する。一般に、材料の一方は高い誘電率を有し、他方は低い誘電率を有する。誘電率間のその界面で衝突する際、およそ10−2〜10−3の入射放射線が層の各周期で反射される。従って、10〜103の層を有する多層構造が理論的に入射放射線のほとんど全てを反射する。多層は、オーダーメイドという追加の利点を有し、それは、異なる当該波長についてブラッグの方程式を満たすようにdの面間隔を誂えることができることを意味する。]
[0008] 従来、多層XRF分析計は、マグネシウム(Mg)からベリリウム(Be)に至る種々の元素の分析に利用されている。たとえば、半導体産業では、半導体材料の基板は今や複数の薄膜層によって加工されている。その上に形成される複数の薄膜層を有する試料を特徴付けるのに多層を使用することができる。各膜層を異なった材料から形成することができる。1.5nm〜10nmに及ぶdの面間隔を有する多種多様な材料の組み合わせが現在使用されている。特定の元素の分析については、最良の有効性能について最適な構造を見つけることができるが、改善への要求は常に存在する。たとえば、タングステン−珪化物(W/Si)の周期によって構成される一般的な多層が、たとえば、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、フッ素(F)及び酸素(O)のような種々の元素を含有する膜を分析するのに使用されている。そのような分析計はマグネシウム(Mg)及びナトリウム(Na)の分析には相対的に効率的ではあるが、フッ素(F)及び酸素(O)を分析するその性能はあまり効率的ではない。堆積技術の進展によって、W/Si多層構造の不完全度、たとえば、層間拡散、粗さなどをできるだけ抑えることができるが、タングステン(W)及びシリコン(Si)材料の光学定数から生じる基本的な限界のために性能における進歩は少ないと予想される。従って、種々の元素を含有する薄膜層を分析するための、特にフッ素(F)及び酸素(O)のような元素を分析するための改善された多層分析計が必要である。]
[0009] 半導体基板で一般に加工される薄膜層の例にはさらに、酸化物、窒化物、チタン(Ti)及びチタン−窒化物(TiN)が挙げられる。TiN薄膜の現在の分析は、たとえば、2つの分析計:窒素(N)を分析するための多層、たとえば、スカンジウム(Sc)に基づく多層と、チタン(Ti)を分析するための結晶、たとえば、フッ化リチウム(LiF)を使用する。Nを分析するためにScに基づく多層を使用することは結果的に十分な反射率を生じる。この潜在反射率は、シリコンウエハーのような特定のシリコンを含有する試料においてバックグラウンドシグナルを高める。さらに、Scに基づく多層は、TiN薄膜を被覆した試料におけるNを分析することしかできないので、Tiを分析するために第2の分析計(LiF)を必要とする。Nが分析されるだけの元素であるとしても、N−Kα線の極めて近傍にあるTi−LI線の存在のために双方の分析計を使用しなければならない。このことは、高価で不都合な2つの別々の分析計を収容するための2チャンネル装置を必要とする。従って、TiN薄膜で加工された試料を分析するためのWDS用の単一分析計が必要である。]
[0010] 現在、50eVを下回るエネルギーでの適用には、純粋なマグネシウム(Mg)に基づく構造、たとえば、炭化珪素/マグネシウム(SiC/Mg)の多層構造が使用されている。そのような低いエネルギーに伴って、これらの構造は15nmを超えるdの面間隔を有する。しかしながら、マグネシウム(Mg)から窒素(N)までの軽い元素のXRF分析については、約2〜4nmの間のdの面間隔を持つ多層分析計が最適である。純粋なMg層を含有する多層構造、たとえば、約4nm以下のdの面間隔を持つタングステン/マグネシウム(W/Mg)は、結果的に非常に乏しいX線性能を生じるこれら材料の強い混合/反応のために望ましくない。]
[0011] 従って、分析される元素の数を減らさずに、性能を大きく失うことなく、WDS分光計における既存の分析計の質を改善することに対する又は分析計の数を減らす必要がある。]
[0012] さらに、例えば、反射率及び選択性のようなパラメータを最適化すると共に、特定の適用及び分析下の元素による望ましくないバックグラウンドシグナルを低下させる能力を有する改善された多層分析計が必要である。]
[0013] 上記のニーズを満たすと共に、関連技術の列挙された欠点及びその他の限界を克服することにおいて、本発明の少なくとも1つの実施態様は、広いスペクトル範囲で機能し、既存の分析計に比べて性能に優れる多層構造を提供する。多層構造は珪化マグネシウム(Mg2Si)に基づくが、周期内に2、3、4以上の層を含有してもよい。
本発明の第1の実施態様では、X線を反射するための多層構造は、基材と基材の表面に形成される少なくとも一対の層を含む。対になった層は第1の層と第2の層を含む。第1の層は珪化マグネシウム(Mg2Si)を含む。第2の層は、タングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物、珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、炭化ホウ素(B4C)、及び好適な光学特性を有する当該技術で既知のほかの金属元素又は軽い元素の少なくとも1つを含む。この実施態様では、第1の層は最上層であり(すなわち、対の層の中で放射線に最初に露出される層)、第2の層は最下層(すなわち、対の層の中で放射線に最後に露出される層)である。
本発明の第2の実施態様では、X線を反射するための多層構造は、基材と基材の表面に形成される少なくとも1つの三組みの層を含む。三組みの層は第1の層と第2の層と第3の層を含む。第1の層は珪化マグネシウム(Mg2Si)を含む。第2の層は、珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、炭化ホウ素(B4C)、及び好適な光学特性を有する当該技術で既知のほかの軽い元素の少なくとも1つを含む。第3の層は、タングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物、好適な光学特性を有する当該技術で既知のほかの金属元素の少なくとも1つを含む。この実施態様では、第1の層は最上層であり(すなわち、三組みの層の中で放射線に最初に露出される層)、第3の層は最下層(すなわち、三組みの層の中で放射線に最後に露出される層)である。多層構造はさらに第4の層を含んでもよいので、基材の表面に形成される四組みの層を形成し、その際、第4の層は第2の層に関して上記で列記された材料の1つを含み、第4の層は最下層(すなわち、四組みの層の中で放射線に最後に露出される層)である。]
[0014] この実施態様では、層の相対的な厚さを変化させることによって、第3の層及びおそらく第4以上の層が、たとえば、反射率、選択性、及びピーク対バックグラウンド比のような分析計の特徴を滑らかに調整する改善された性能及び柔軟性を持つ多層構造を提供する。多層構造の層の材料及び厚さにおける変化は、第3の層が単にバリアとして役立って構造に構造的整合性を提供する3以上の層を有する従来技術の多層構造に反して、特定の適用に従って分析計の性能を最適化する方法を提供する。]
[0015] 本発明の第3の実施態様では、蛍光X線分光方式は、試料上でX線の放射場を発するX線源と、基材と基材の表面に形成される個々の層の少なくとも1つの周期とを含む多層構造を含む。周期における個々の層の数は少なくとも3であり、層は上述の材料から形成される。試料はX線の放射場に対応して蛍光の放射場を発し、多層構造は蛍光の放射場を選択的に反射する。]
[0016] 本発明の別の実施態様では、蛍光X線分光の方法はX線放射の場を提供することとX線放射の場によって分析される試料を照射することを含み、それによって蛍光放射の場を誘導する。方法はさらに、基材と少なくとも1つの周期内において基材の表面に形成される個々の層を含む多層反射体からの蛍光放射の場を方向付けることを含む。周期における個々の層の数は少なくとも3であり、層は上述の材料から形成される。次いで蛍光の場が、試料を照射した後検出器によって分析される。]
[0017] 本発明のさらなる目的、特徴及び利点は、添付され、本明細書の一部を形成する図面とクレームを参照して以下の記載を精査した後、当業者に容易に明らかになるであろう。]
図面の簡単な説明

[0018] 本発明の実施態様に係る蛍光X線分光装置の実施態様を示す模式図である。]
[0019] ブラッグ方程式を満たす物質からのX線放射の反射を示す模式図である。]
[0020] 一連の2つの個々の層を有する本発明の実施態様に係る多層構造を示す概略横断面図である。]
[0021] 一連の3つの個々の層を有する本発明の実施態様に係る多層構造を示す概略横断面図である。]
[0022] 一連の4つの個々の層を有する本発明の実施態様に係る多層構造を示す概略横断面図である。]
[0023] 薄膜分析の間での種々の多層分析計の性能のエネルギー強度分布を示すプロットである。]
[0024] 図6aで示したプロットの拡大図である。] 図6a
[0025] 勾配のある入射角度に対してプロットしたO−Kα放射線での2つの異なる多層分析計のピーク反射率を示すプロットである。]
[0026] 層の1つの厚さを変えたときの2つの異なる多層分析計のピーク反射率とFWHMを示すプロットである。]
[0027] 蛍光X線分析の間での種々の多層分析計の性能のエネルギーと反射率の分布を示すプロットである。]
実施例

[0028] 本発明の好ましい実施態様によれば、図1は、波長分散型分光法を用いた当該試料の蛍光X線分析の装置10を表す。X線源20は、多層ブラッグ構造を含む種々の形態を取ることができる反射光学系22に向けられたX線放射12の場を発する。反射光学系22は、X線放射12を平行にする又は単色光にするのに使用されてもよい。或いは、装置10は反射光学系22なしで操作してもよい。] 図1
[0029] しかしながら、示されるように、X線放射12の場は、分析して化学的不純物を割り出す必要があるシリコンウエハーのような当該試料24に衝突する。X線放射12の場と試料24の間の既知の物理学的反応のために、蛍光放射14の場が試料から発せられる。蛍光放射14の場は、試料24に存在する原子又は分子の元素の種類に特徴的な放射輝線の形態で情報を含有する。蛍光放射14の場は本発明の多層構造26から選択的に反射されて反射された蛍光放射の場16を創る。反射された蛍光放射の場16はその後、反射された蛍光放射の場16の定性的及び定量的な側面を解釈するように適合させた検出器28によって受け取られ、分析される。]
[0030] 放射は、ブラッグの方程式、上記方程式1に従って多層構造26から選択的に反射され、その際、間隔、又はdの面間隔、dが図2において図解的に参照番号18と呼ばれる。図2に示すように、角度θで表面に衝突する入射放射線17(図1の入射放射線14に類似する)はdの面間隔18に相当する間隔で反射される。所定の数の層間での構成的干渉は、反射された放射線19(図1の反射された放射線16に類似する)の均一な場をつくる。] 図1 図2
[0031] 図3は、本発明の実施態様に係る多層構造26を表す。多層構造26は一般に、基板30と、その上に周期的に形成されてもよい一連の対又は二層32を含む。図3に示すように、各二層32は一対の個々の層32a,32bを含み、それは基材30上に順に堆積されて必要な周期性を創る。多層構造26は好ましくは、約10〜約300の間の二層32、又は約20〜約600の間の個々の層32a,32bで構成される。好ましい実施態様では、多層構造26は、約50〜約150の間の二層32で構成され、各二層は厚さ約1〜約60nmの間、好ましくは厚さ約1.5〜約10nmの間である。この厚さはさもなければ、(方程式(1)で使用されるような)多層構造26のdの面間隔と呼ばれる。] 図3
[0032] 言及したように、各二層は、第1の層32aと第2の層32bを含む一対の個々の層32a,32bで構成される。この実施態様では、第1の層32aは珪化マグネシウムで構成され、第2の層32bはタングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物、珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、炭化ホウ素(B4C)、及び好適な光学特性を有する当該技術で既知のほかの金属元素又は軽い元素の少なくとも1つで構成される。図3を参照して、第1の層32aが最上層であり(すなわち、対の層32の中で入射放射線に最初に露出される層)、第2の層は最下層(すなわち、対の層32の中で入射放射線に最後に露出される層)である。] 図3
[0033] 図4を参照して、本発明の別の好ましい実施態様に係る多層構造126を説明する。多層構造126は基板130と、その上に周期的に形成されてもよい一連の三つ組み層132を含む。この実施態様では、各三つ組み層132は三つ組みの層132a、132b、123cを含み、それは基材130上に順に堆積されて必要な周期性を創る。多層構造126は、約10〜約300の間の三つ組み層132、又は約30〜約900の間の個々の層132a,132b、132cで構成される。好ましい実施態様では、多層構造126は、約50〜約150の間の三つ組み層132で構成され、各三つ組み層132は、厚さ約1〜約60nmの間、好ましくは厚さ約1.5〜約10nmの間である。この厚さはさもなければ、(方程式(1)で使用されるような)多層構造126のdの面間隔と呼ばれる。] 図4
[0034] 言及したように、三つ組み層132は、第1の層132aと第2の層132bと第3の層132cを含む三つ組みの層132a、132b、132cで構成される。この実施態様では、第1の層32aは珪化マグネシウムで構成される。第2の層132bは、珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、炭化ホウ素(B4C)、及び好適な光学特性を有する当該技術で既知のほかの軽い元素の少なくとも1つで構成される。第3の層132cは、タングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物、好適な光学特性を有する当該技術で既知のほかの金属元素の少なくとも1つで構成される。図4に表されるように、第2の層132bは好ましくは第1の層132aと第3の層132cの間に配置される。この実施態様では、第1の層132aがさらに軽い材料を含むので図4に示すように各三つ組み層132内での最上層である(すなわち、各三つ組み層132内で入射放射線に最初に露出される層)。第3の層132cはさらに吸着性の材料を含むので図4に示すように各三つ組み層132内での最下層である(すなわち、各三つ組み層132内で入射放射線に最後に露出される層)。] 図4
[0035] 図5で説明される別の実施態様では、多層構造226が第4の層を含んでもよいので、一連の四つ組層232が基材230上に周期的に形成されてもよい。この実施態様では、各四つ組層232は、層232a、232b、232c、232dの四つ組を含み、それらは基材230上に順に堆積されて必要な周期性を創る。多層構造226は、約10〜約300の間の四つ組み層132、又は約40〜約1200の間の個々の層232a,232b、232c、232dで構成される。好ましい実施態様では、多層構造226は、約50〜約150の間の四つ組み層232で構成され、各四つ組み層232は、厚さ約1〜約60nmの間、好ましくは厚さ約1.5〜約10nmの間である。この厚さはさもなければ、(方程式(1)で使用されるような)多層構造226のdの面間隔と呼ばれる。] 図5
[0036] この実施態様では、第1の層232a、第2の層232b及び第3の層232cは、三つ組み多層構造126の第1の層132a、第2の層132b及び第3の層132cと類似する。従って、層232a,232b、及び232cはそれぞれ、三つ組み多層構造126に関して上述されたように層132a、132b及び132cと同じ材料から形成される。図5で説明されるように、四つ組み層232の第4の層は、三つ組み多層構造126に関して上述された第2の層132bについて列記された材料の少なくとも1つで構成される。] 図5
[0037] この実施態様では、第2の層232bと第4の層232dは、その各配置的特徴は同一でなくてもよいが、化学的に同一であってもよい。この実施態様では、第2の層232bは好ましくは第1の層232aと第3の層232cの間に配置され、第3の層232cは好ましくは第2の層232bと第4の層232dの間に配置される。図5を参照して、第4の層が多層周期nの第3の層と多層周期n−1の第1の層の間に配置されるように、第1の層232aが最上層であり(すなわち、各四つ組み層内で入射放射線に最初に露出される層)、第4の層232dが最下層(すなわち、各四つ組み層内で入射放射線に最後に露出される層)である。] 図5
[0038] 装置10の性能を最大化するように多層構造を成形してもよく又はさもなければ誂えてもよいことが本発明の特徴である。たとえば、多層構造26、126、226の表面にて異なった点での入射角θの大きさを調節するために、図3、4及び5に示す多層構造26、126、226を円錐断面、たとえば、楕円、放物面又は回転楕円面に成形してもよい。多層構造26、126、226の表面を成形することによって、蛍光放射16の反射した場が好ましい方法で検出器28に集中するように、特定の方法で蛍光放射14の場を調整することができる。] 図3
[0039] 多層構造26、126、226は好ましくは、保護層又は反射防止層のいずれかとして作用する第1の周期(すなわち、最上の周期)の第1の層の上にキャップ層34、134、234を含む。たとえば、キャップ層34、134、234は、珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2)、そのほかの酸化物反射防止コーティング、及び当該技術で既知のそのほかの好適な反射防止材で構成されてもよい。]
[0040] さらに、図3、4及び5に示す多層構造26、126、226のdの面間隔、すなわち、二層32、三つ組み層132又は四つ組層232の厚さは、多層構造26、126、226の深さに沿って変化してもよく、又は代わりに多層構造26、126、226の横軸に沿って変化してもよい。後者の操作はそれぞれ、深さ勾配のあるdの面間隔及び横勾配のあるdの面間隔として知られる。] 図3
[0041] シリコン(Si)ウエハー上の窒化チタン(TiN)薄膜の分析においてこれまでの従来技術の分析計と共に様々なMg2Siに基づいた分析計を調べ、その計算された性能を以下の表2に提供し、エネルギー強度の分布を図6aと図6bにプロットする。] 図6a 図6b
[0042] 図6aと図6bを参照して、Siウエハー上のTiN薄膜を分析する種々の多層構造の計算された性能のうちでエネルギー強度の分布のプロットを提供する。表1で言及されたように、輝線A、B、C、D、E、F及びGはそれぞれ、7つの異なった多層構造、Cr/Sc、Co/Mg2Si、W/Si(OV080A)、Ni/Mg2Si、W/Si(OV060A)、W/Si(OV045A)及びSiC/Mg2Siの性能を表し、各多層構造は一連の二層を含む。線A、C、E及びFは当該技術で知られ、使用されている多層構造を表し、線B、D及びGは図3で説明した実施態様に係るMg2Siに基づく多層構造を表す。] 図3 図6a 図6b
[0043] 表1でさらに言及すると、N−Kα線として知られるTiN薄膜の窒素の放射の線は線1として表され、Ti−LI線として知られるTiN薄膜のチタンの放射の線は線2として表される。種々の多層構造の輝線のそれぞれの線1に沿ったピークは、TiN薄膜のNについて各多層構造によって反射された強度を表す。同様に、種々の多層構造の輝線のそれぞれの線2に沿ったピークは、TiN薄膜のTiについて各多層構造によって反射された強度を表す。]
[0044] 図6aと図6bを参照して、輝線Aはクロム/スカンジウム(Cr/Sc)の二層を含む当該技術で知られ、使用されている従来の多層構造の性能を表す。その計算された性能が以下の表2に示されるこの特定の調べられた多層分析計の具体的な製品名は、4nmのdの面間隔を有するOV080Eである。図6aと図6b及び表2で説明されるように、N−Kα線(線1)に沿って位置するCr/Scの輝線(線A)のピークは、Cr/Sc多層構造の性能がTiN薄膜のNの分析について非常に高い強度(306.1a.u.)を結果的に生じることを説明している。しかしながら、Cr/Scの輝線(線A)はTiLI線(線2)の沿ったピークを示さず、それは、Scに基づく多層構造がTiN薄膜のTiを分析することができないことを明らかにしている(表2、Ti−LI線について0.0a.u.を参照のこと)。図6aと図6b及び表2はさらに、Cr/Sc多層構造はピーク対バックグラウンド比によって決定される非常に高いバックグラウンドシグナルを結果的に生じることを説明している(N−Kα線(線1)についての2.35として表2で提供される)。] 図6a 図6b
[0045] 輝線Bは、コバルト/珪化マグネシウム(Co/Mg2Si)の二層を含み、4nmのdの面間隔を有する、本発明の図3の実施態様に係るMg2Siに基づく多層構造の性能を表す。図6aと図6b及び以下の表2に示されるように、N−Kα線(線1)及びTi−LI線に沿って位置するCo/Mg2Si輝線(線B)のピークは、Co/Mg2Si多層構造がTiN薄膜のN及びTiを分析することが可能であるだけでなく、Co/Mg2Si多層構造の性能がTiN薄膜のN(169.4a.u.)及びTi(86.7a.u.)双方の分析について非常に高い強度も結果的に生じることを説明している。加えて、図6aと図6b及び表2は、Co/Mg2Si多層構造が、従来技術のCr/Sc多層構造よりも、ピーク対バックグラウンド比によって決定される低いバックグラウンドシグナルを結果的に生じる(N−Kα線(線1)についての5.84として、TiLI線(線2)についての1.61として表3で提供される)ことをさらに説明している。] 図3 図6a 図6b
[0046] 輝線Cはタングステン/珪化物(W/Si)の二層を含む当該技術で知られ、使用されている従来の多層構造の性能を表す。その計算された性能が以下の表2に示されるこの特定の調べられた多層分析計の具体的な製品名は、4nmのdの面間隔を有するOV080Aである。図6aと図6b及び表2に示されるように、N−Kα線(線1)に沿って位置するW/Siの輝線(線C)のピークは、W/Si(OV080A)多層構造の性能が、TiN薄膜のNの分析で分析計の群において中間範囲の強度(52.9a.u.)を結果的に生じることを説明している。Ti−LI線に(線2)に沿って位置するW/Siの輝線(線C)のピークは、W/Si(OV080A)多層構造の性能が、TiN薄膜のTiの分析で分析計の群において中間範囲の強度(46.4a.u.)を結果的に生じることを説明している。図6aと図6b及び表2は、W/Si(OV080A)多層構造がピーク対バックグラウンド比によって決定される非常に高いバックグラウンドシグナルを結果的に生じる(N−Kα線(線1)についての2.52として、Ti−LI線(線2)についての1.16として表2で提供される)ことをさらに説明している。] 図6a 図6b
[0047] 輝線Dは、ニッケル/珪化マグネシウム(Ni/Mg2Si)の二層を含み、3nmのdの面間隔を有する本発明の図3の実施態様に係るMg2Siに基づいた多層構造の性能を表す。図6aと図6b及び以下の表2に示されるように、N−Kα線(線1)に沿って位置するNi/Mg2Siの輝線(線D)のピークは、Ni/Mg2Si多層構造の性能が、TiN薄膜のNの分析について高い強度(75.2a.u.)を結果的に生じることを説明している。Ti−LI線に(線2)に沿って位置するNi/Mg2Siの輝線(線D)のピークは、Ni/Mg2Si多層構造の性能が、TiN薄膜のTiの分析について高い強度(32.9a.u.)を結果的に生じることを説明している。図6aと図6b及び表2は、Ni/Mg2Si多層構造がピーク対バックグラウンド比によって決定される非常に低いバックグラウンドシグナルを結果的に生じる(N−Kα線(線1)についての10.4として、TiLI線(線2)についての2.3として表2で提供される)ことをさらに説明している。] 図3 図6a 図6b
[0048] 輝線Eは、タングステン/珪化物(W/Si)の二層を含む当該技術で知られ、使用されている従来の多層構造の性能を表す。その計算された性能が以下の表2に示されるこの特定の調べられた多層分析計の具体的な製品名は、3nmのdの面間隔を有するOV060Aである。図6aと図6b及び表2に示されるように、N−Kα線(線1)に沿って位置するW/Siの輝線(線H)のピークは、W/Si(OV060A)多層構造の性能が、TiN薄膜のNの分析について低い強度(23.6a.u.)を結果的に生じることを説明している。Ti−LI線に(線2)に沿って位置するW/Siの輝線(線H)のピークは、W/Si(OV060A)多層構造の性能がTiN薄膜のTiの分析について低い強度(12.2a.u.)を結果的に生じることを説明している。図6aと図6b及び表2は、W/Si(OV060A)多層構造が、ピーク対バックグラウンド比によって決定される中間範囲のバックグラウンドシグナルを結果的に生じる(N−Kα線(線1)についての6.6として、Ti−LI線(線2)についての1.8として表2で提供される)ことをさらに説明している。] 図6a 図6b
[0049] 輝線Fは、タングステン/珪化物(W/Si)の二層を含む当該技術で知られ、使用されている従来の多層構造の性能を表す。その計算された性能が以下の表2に示されるこの特定の調べられた多層分析計の具体的な製品名は、2.25nmのdの面間隔を有するOV045Aである。図6aと図6b及び表2に示されるように、N−Kα線(線1)に沿って位置するW/Siの輝線(線F)のピークは、W/Si(OV045A)多層構造の性能が、TiN薄膜のNの分析について非常に低い強度(11.74a.u.)を結果的に生じることを説明している。Ti−LI線に(線2)に沿って位置するW/Siの輝線(線F)のピークは、W/Si(OV045A)多層構造の性能が、TiN薄膜のTiの分析について非常に低い強度(4.71a.u.)を結果的に生じることを説明している。図6aと図6b及び表2は、W/Si(OV045A)多層構造が、ピーク対バックグラウンド比によって決定される相当に低いバックグラウンドシグナルを結果的に生じる(N−Kα線(線1)についての12.6として、Ti−LI線(線2)についての2.7として表2で提供される)ことをさらに説明している。] 図6a 図6b
[0050] 輝線Gは、炭化珪素/珪化マグネシウム(SiC/Mg2Si)の二層を含み、3nmのdの面間隔を有する本発明の図3の実施態様に係るMg2Siに基づいた多層構造の性能を表す。図6aと図6b及び以下の表2に示されるように、N−Kα線(線1)に沿って位置するSiC/Mg2Siの輝線(線G)のピークは、SiC/Mg2Si多層構造の性能が、TiN薄膜のNの分析について、そのほかのMg2Siに基づいた多層構造及び従来技術の多層構造の2つよりも高く、従来技術の多層構造のほかの2つよりも低い強度(28.3a.u.)を結果的に生じることを説明している。Ti−LI線に(線2)に沿って位置するSiC/Mg2Siの輝線(線G)のピークは、SiC/Mg2Si多層構造の性能が、TiN薄膜のTiの分析について低い強度(9.9a.u.)を結果的に生じることを説明している。図6aと図6b及び表2は、SiC/Mg2Si多層構造が、ピーク対バックグラウンド比によって決定される非常に低いバックグラウンドシグナルを結果的に生じる(N−Kα線(線1)についての70.7として、Ti−LI線(線2)についての12.4として表2で提供される)ことをさらに説明している。] 図3 図6a 図6b
[0051] TiN薄膜のNの分析において種々の多層構造の結果を比較すると、従来技術のCr/Sc(OV080A)分析計(線A)が最も高い強度を示し、2つのMg2Siを基にした分析計、Co/Mg2SiとNi/Mg2Si(線BとD)がそれに続き、従来技術W/Si(OV080A)(線C)がそれに続き、第3のMg2Siに基づいた分析計、SiC/Mg2Si(線G)がそれに続き、最後の2つの従来技術、W/Si(OV060AとOV045A)分析計(線Eと線F)が最低強度でそれに続く。]
[0052] TiN薄膜のTiの分析において種々の多層構造の結果を比較すると、Co/Mg2Si分析計(線B)が最も高い強度を示し、従来技術のW/Si(OV080A)(線C)がそれに続き、Ni/Mg2Si分析計(線D)がそれに続き、従来技術W/Si(OV060A)(線E)がそれに続き、SiC/Mg2Si分析計(線G)がそれに続き、従来技術W/Si(OV045A)がそれに続き、従来技術Cr/Sc(線A)がそれに続くが、これはTiN薄膜におけるTiを分析することができない。]
[0053] それぞれが示す、ピーク対バックグラウンド比に基づくバックグラウンドシグナルにおいて種々の多層構造を比較すると、従来技術Cr/Sc分析計(線A)が最も高いバックグラウンドノイズを示し、従来技術W/Si(OV080A)(線C)がそれに続き、Co/Mg2Si分析計(線B)がそれに続き、従来技術W/Si(OV060A)分析計(線E)がそれに続き、Ni/Mg2Si分析計(線D)がそれに続き、従来技術W/Si(OV045A)(線E)がそれに続き、SiC/Mg2Si分析計(線G)が最低のバックグラウンドノイズと共にそれに続く。]
[0054] 従来技術Cr/Sc分析計(線A)は、Nの分析で最高の強度を示すが、Tiを分析することができず、最高のバックグラウンドノイズを示すので非常に望ましい分析計ではない。従来技術W/Si(OV080A)分析計(線C)はTiの分析では比較的高い強度を示すが、Nの分析では非常に弱く、非常に高いバックグラウンドノイズを示すので非常に望ましい分析計ではない。従来技術W/Si(OV060AとOV045A)分析計(線Eと線F)の双方は、N及びTiの強度とバックグラウンドノイズ双方の分析という点で中間近くに並ぶ。]
[0055] 表2で示され、図6aと図6bでプロットされた結果から、図3の実施態様に係るMg2Siに基づいた分析計は従来技術のW/Si分析計及びCr/Sc分析計よりも望ましいことが証拠付けられる。たとえば、Ni/Mg2Si分析計(線D)はN及びTiの双方について高い強度を示し、低いバックグラウンドノイズを示す。SiC/Mg2Si分析計(線G)はN及びTiの双方について低い強度を示すが、分析計すべての中で最も低いバックグラウンドノイズを示す。最後に、Co/Mg2Si分析計(線B)はほかのMg2Siに基づく分析計よりも高いバックグラウンドシグナルを示すが、N及びTi双方の分析で非常に高い強度を示し、これまでの従来技術のW/Si多層よりもNの分析で3倍の強度、Tiの分析でほぼ2倍の強度を示す。] 図3 図6a 図6b
[0056] 今や図7を参照して、ピーク反射率と勾配入射角のプロットにおいて、これまでの従来技術のW/Si構造と図3の実施態様に係る新規のW/Mg2Si構造のO−Kα放射の線にて計算された角度での反射率を提供する。各構造のdの面間隔は4nmであり、二層の数は100である。ガンマ、すなわち、dの面間隔に対するW層の厚さの比は0.3である。平面波(すなわち、分岐がない)と、層の材料嵩密度と、W/Siについて0.35nm、W/Mg2Siについて0.4nmの層間粗さを仮定して計算を行った。図7に示すように、新規の二層W/Mg2Si多層は、高いピーク反射率(20.7%)と狭いEWHM(半値全幅、0.51度)を示し、それは、低いピーク反射率(12.6%)と広いFWHM(0.55度)を示す従来技術の二層W/Si多層と比べて、良好な分解能を約束する。] 図3 図7
[0057] 選択性又は分解能は放射線が貫通するする多層構造内の層の数に依存する、すなわち、層が多ければ多いほど、分解能は良好となる。言い換えれば、放射線が多層構造のさらに深い、さらに多くの層を貫通すると、これがさらに良好な分解能を提供する。これは、W/Mg2Si多層分析計が限定されている場合である。タングステン(W)は非常に効率的に放射線を吸収するので、W/Mg2Si二層多層構造において放射線が貫通する深さは、高度に吸収性のW層のために限定される。従って、放射線は表面近くで吸収され、結果的に乏しい分解能を生じる。W層の厚さを減らすことによって分解能を改善することができる。しかしながら、Wは高いピーク反射率と関係があるので、このアプローチは通常結果的にピーク反射率の有意な喪失を生じる。従って、図7は二層W/Mg2Si多層構造が、従来技術のW/Siよりも良好に機能することを示すが、W/Mg2Si分析計は分解能で限定される。] 図7
[0058] 代わりに、SiC/Mg2Si多層構造は、たとえば、高い分解能を示す。特定の多層構造の分解能という点で、それは、作用し始める各周期内での層の平均吸収である。従って、SiC/Mg2Si多層構造の分解能をW/Mg2Si多層構造のそれと比べると、両者の構造は各周期内にMg2Siの層を含むので、各構造の分解能はWとSiCを比較することによって容易に比較することができる。SiCは高度に吸収性のWより軽いので、放射線はW/Mg2Si多層構造を介するよりもSiC/Mg2Si多層構造を介する方がさらに深く貫通し、結果的にSiC/Mg2Si多層分析計について高い分解能を生じる。]
[0059] 一般に、図3に係る二層の多層構造、たとえば、W/Mg2Si又はSiC/Mg2Siの多層構造の層のそれぞれの厚さは、特定の適用についての望ましい反射率及び選択性のパラメータに従って調整することができる。たとえば、相対的に幅広い反射率の曲線を持つ多層構造はWDS方式で良好な性能を提供し、狭く、高い反射率の曲線を持つ多層構造はEPMA(電子プローブX線ミクロ解析)方式に良好に適する。しかしながら、層材料のそれぞれの光学定数の限界のために、二層の多層構造内で層の厚さを変える場合、反射率と選択性の間に妥協がある。たとえば、W/Mg2Si多層構造のW層の厚さを減らすことによって2つのうち1つの因子により選択性を改善してもよいが、同様に2つのうち1つの因子によって反射率は小さくなる。] 図3
[0060] 図4〜5の実施態様によれば、たとえば、WとMg2Siの層を有する多層構造126の三つ組み層132の周期の中へのSiCのような、又はSiCとMg2Siの層を有する多層構造126の三つ組み層132の周期の中へのWのような第3の層の導入は、図3に係る二層の多層構造26の限界を克服するのに役立つ。たとえば、WとSiCとMg2Siとを図4に係る三層の又は三つ組み層のW/SiC/Mg2Si多層構造に組み合わせることによってピークの反射率と選択性の妥協を解消する。] 図3 図4 図5
[0061] この実施態様では、第3の層はバリア層としてではなく、特定の適用のためにパラメータを最適化する能力のために導入される。たとえば、特定の適用のためにパラメータを最適化するために三つ組み層132内での異なった層132a、132b、132cの想定的な厚さを改変してもよい。たとえば、Wが低い分解能と関係し、SiCが高い分解能と関係することが分かっているW/SiC/Mg2Siのような多層構造と共に、W層とSiC層の間の厚さの比を変えることによって多層構造126を誂えて特定の適用に合わせることが可能である。従って、X線ビームの広がりが相対的に高い従来の分光計を用いた適用に望ましい最適な光束を持つ三つ組みの多層構造126を提供するには、SiCを含む層132bよりもWを含む層132cを厚くするべきである。或いは、X線ビームの広がりが非常に小さい又はない固定チャンネルの分光計を用いた適用に望ましい最適な分解能を持つ三つ組みの多層構造126を提供するには、Wを含む層132cよりもSiCを含む層132bを厚くすべきである。]
[0062] 図3に係る二層の多層構造26を超える図4に係る三層の多層構造の改善された性能を説明するさらなる証拠は図8に提供される。図8は、各特定の多層構造のW層の関数として、O−Kα放射の線にて、二層W/Mg2Siの多層構造26と三層W/SiC/Mg2Siの多層構造の計算された性能を比較する。これらの計算については、三層構造のMg2Si層の厚さは2.89nmで一定に保ったが、双方の構造は4.06nmのdの面間隔を有する。] 図3 図4 図8
[0063] 図8を参照して、層の厚さを変えることが選択性(すなわち、分解能)と反射率に対して有する効果はそれぞれ、FWHMの線と反射率の線から明らかである。W/SiC/Mg2Siの多層構造とW/Mg2Siの多層構造についてのFWHM線の差異は非常に有意であるわけではないが、双方の線はW層の厚さが増すにつれて、FWHMが上昇する(すなわち、FWHMのピークが広くなる)ので、分解能は低下することを示している。W/SiC/Mg2Siの多層構造とW/Mg2Siの多層構造についての反射率の間の差異は非常に有意であり、三層W/SiC/Mg2Siの多層構造が二層W/Mg2Siの多層構造よりはるかに良好な反射率を有することを示している。たとえば、W層が2オングストローム(0.2nm)である場合、W/SiC/Mg2Siの多層構造は、二層W/Mg2Siの多層構造の2倍を超える反射率を示す。W層の厚さが増すにつれて、2つの構造の間での反射率の差異は小さくなるが、三層W/SiC/Mg2Siの多層構造が二層の多層構造よりも良好に機能するのを理解するほど十分に有意である。] 図8
[0064] 図8で説明されるように、2つのうち1つの因子による選択性の改善は結果的に、二層構造による50%の反射率の喪失に対して三層構造によるほんの15%の反射率の喪失を生じる。多層構造の反射率は、層の材料や厚さだけでなく、構造における層の順序にも左右される。たとえば、SiC/Mg2Siの多層構造の反射率は、類似の層の厚さと不完全性を持つW/Mg2Si/SiCよりも高い。] 図8
[0065] 図9は、光子エネルギー170eV〜1750eVにおけるSiウエハー上のTiN薄膜の分析での従来技術の多層構造と比べたMg2Siを基にした構造の予想反射率のプロットを示す。図9を参照して、一連の二層を有する5つの多層構造と一連の三つ組み層を有する1つの多層構造を含む6つの異なる多層構造の性能について輝線を表す。一連の二層を有する分析計は、従来技術の分析計、Cr/Sc(OV080E;d=4nm)、Ni/C(OV080N;d=4nm)及びW/Si(OV080A;d=4nm)、並びに本発明の図3の実施態様に係るMg2Siに基づく分析計、Co/Mg2Si(d=4nm)及びW/Mg2Si(d=4nm)を含む。本発明の図4の実施態様に係る、その性能が図9にプロットされる一連の三つ組み層を有する分析計は、4nmのdの面間隔を有するW/SiC/Mg2Si分析計である。各輝線は、図9における手がかりに提供されるそれ自体の記号に対応する。] 図3 図4 図9
[0066] 図9は、種々の元素、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、酸素(O)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、フッ素(F)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)及び珪素(Si)を分析する種々の多層構造のエネルギーと反射率の分布を示す。各特定の元素について各分析計によって反射される反射率が以下の表3で言及されるような各元素に関係する放射の線に沿って示される。] 図9
[0067] 図9で証拠付けられるように、約700eVを超えるエネルギーについては、新規の三層W/SiC/Mg2Siと二層W/Mg2Siの構造の反射率はこの範囲で、従来技術のW/Si多層構造の反射率を超える。さらに低いエネルギーでは、別の新規も二層Co/Mg2Siが最良の反射率と分解能を約束する。図3〜5に関して前に記載したように、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)のような遷移金属、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物、及び最適な光学特性を有するそのほかの物質を層材料の1つとしてコバルト(Co)の代わりに使用することができる。従って、図9は、Mg2Siに基づく多層分析計が、分析下のほぼすべての元素についてこれまでの従来技術の多層分析計を超えて機能し、場合によっては、ほかの多層構造よりも2倍大きい反射率を示すことを説明している。Scに基づく多層が最も良好に機能する期待値はN−Kα線である。しかしながら、上述のように、Scに基づく、たとえば、Cr/Sc及びFe/Scの分析計は、シリコンウエハー上の薄膜を分析する場合、相対的に低い分解能とSi−Lα線からの高いバックグラウンドシグナルという短所を有する。] 図3 図4 図5 図9
[0068] 図9で説明されるように、三つ組みW/SiC/Mg2Si多層構造は、ほとんどの元素について最高の反射率を示すので、Mg2Siに基づいた多層構造の高い性能をさらに証拠付けている。三つ組み多層構造126によって、パラメータ間の妥協は有意ではない。従って、図3に係るMg2Siに基づいた二層の多層構造26がTiN薄膜を分析するための、多数の従来技術の多層構造を超える改善された性能を有する単一の分析計を提供する一方で、図4に係る三つ組みの多層構造126は、ほかのパラメータを犠牲にすることなく、広い範囲のパラメータを最適化する能力を提供する。従って、Mg2Siに基づく層132aと軽い層132b、たとえば、SiCと吸収性の層132c、たとえばWを含む三つ組みの多層構造126の利点には、高いピーク反射率と、高い選択性と、ピーク対バックグラウンドの比で決定される低いバックグラウンドのノイズが挙げられる。] 図3 図4 図9
[0069] Mg2Siに基づいた多層構造のさらなる試験と分析を実施したが、その結果を以下で議論し、表4〜7に示す。調べた多層構造の材料層を堆積するのに使用した堆積工程では、交互構造を形成するためのマグネトロンスパッタリング源の前を通る回転トレーの面上に先ず、基材を取り付けた。堆積チャンバーの直径と高さはそれぞれ600nmと540nmだった。トレーの回転時間を制御することによって各材料のコーティングの所望の厚さを得た。堆積システムには3つのマグネトロンスパッタリング陰極と、堆積の前に基材を清浄するのに使用されるイオンビーム源1つが含まれた。Mg2Siに基づく構造の堆積に使用されるターゲットは、約200mmの長さと約90mmの幅を持つ長方形を有した。]
[0070] 軟X線範囲での反射率と分析性能は、標準の測定条件でのRigaku波長分散型蛍光分光計によって調べた。軟X線測定はすべて、既存の従来技術のW/Si分析計との比較で行った。]
[0071] 3つの異なるセットの多層を基材上に堆積し、調べた。第1のセットは約4nmのdの面間隔(2dは8nmに等しい)を持つW/SiC/Mg2Si多層構造を含有した。第2のセットは約2.25nmのdの面間隔(2dは5.5nmに等しい)を持つ同じ構造を含んだ。最後のセットは、約4nmのdの面間隔(2dは8nmに等しい)を持つCo/Mg2Si多層構造を含んだ。最初の2セットのそれぞれはさらに厚いW層を持つ構造を1つ含有した。最小の厚さのW層を持つ構造は最も狭いピーク幅を示したが、本明細書では高分解能の構造と呼ぶ。高い光束構造と高い分解能構造の間のW層の厚さを持つ構造を本明細書では平均光束と呼ぶ。]
[0072] 新規の構造の性能の獲得(すなわち、強度又は分解能の獲得)は以下のように算出した:性能の獲得は、[Mg2Siに基づく構造の性能]/[W/Si構造の性能]に等しい。以下の表4と表5は、新規の構造とW/Si構造との間の性能の比較の試験結果を提供する。表4は、高い光束、平均の光束及び高い分解能のW/SiC/Mg2Si多重構造の性能獲得を示す。表5は、約4nmのdの面間隔(2dは8nmに等しい)を持つ光束のみが高いCo/Mg2Siの性能獲得を示す。]
[0073] 表4で説明されるように、高い光束のW/SiC/Mg2Si構造は、Mg−Kαでの12%〜N−Kαでの54%の光束の獲得を示した。波長が長ければ光束の獲得が大きいというそのような傾向は図9においてプロットした計算によく一致する。予想した獲得より低いものは、W/Si構造に比べて新規分析計の高い分解能と共に組み込まれたソーラースリットから出て来る放射線の相対的に大きなビームの広がりによって説明することができる。この現象は、高い分解能構造からの低い光束の獲得も説明する。さらに大きな広がりのビームを提供するさらに幅広いソーラースリットで行った実験は、さらに狭いソーラースリットを以前用いたデータと比較してさらに低い光束の獲得を示した。] 図9
[0074] 表5に示されるように、高い光束のCo/Mg2Si構造は、これらの構造の高いピーク反射率を示す非常に狭い反射率曲線にもかかわらずN−KαとO−Kαで37〜57%の光束の獲得を明らかにした。F−KαでのCo/Mg2Si多層の性能は予想よりもはるかに低いが、それは、測定に用いたソーラースリットの相対的に大きなビームの広がりによって部分的に説明することができる。EPMA方式については一層さらに良好な性能を期待することができる。]
[0075] 異なった濃度の分析元素を有する試料からの蛍光放射の強度を測定することによって多層分析計の分析性能を調べた。通常、強度は濃度に直線的に依存する。線の勾配は分析計の感度を特徴付ける。ゼロに等しい濃度での強度はバックグラウンド相当係数(B.E.C.)と呼ばれ、バックグラウンドの強度の程度を特徴付ける。さらに、線形従属を記載する方程式から検出の下限(L.L.D.)を決定することができる。より大きな値の感度、より小さな値のB.E.C.及びより小さな値のL.L.D.が分析計性能の改善を示す。調べたW/SiC/Mg2Si分析計のこれら3つの主な特徴を以下の表6に提示する。表6に提供された値は、新規のW/SiC/Mg2Si構造の特定のパラメータの値とこれまでの従来技術のW/Si分析計の相当する値との間の比を表す。]
[0076] 表6に示されるように、高い光束のW/SiC/Mg2Si構造は感度において約10〜40%の改善とB.E.C.においてわずかな改善を示した。さらにL.L.D.はこれまでの従来技術の分析計に比べて約10%改善されている。高い分解能の構造は主としてその乏しい感度のために有意な改善を示さなかった。]
[0077] 2つの異なった材料の相互の層を有する多層構造、たとえば、上記で議論され、評価された従来技術のW/Si多層構造が当該技術で既知である一方で、Mg2Siに基づいた多層分析計は、TiN薄膜でTiとNの双方を分析することができると共にFやOのような元素もさらに効率的に分析することができる(図9参照)改善された多層構造を提供する。さらに、たとえば、W/MgのようなMgに基づく多層構造における純粋なMgの高度に反応性の特性に照らして、Mg2Siはさらに安定な層材料であり、XRF多層分析計、たとえば、Co/Mg2Si、W/Mg2Si、SOMg2Si、W/SiC/Mg2Si、又は本明細書で開示されるそのほかの層の組み合わせのための非常に望ましい材料を提供することが分かっている。] 図9
[0078] さらに、表2、及び4〜6及び図6〜9にて上記で提供された調べた結果は、単一の周期に2、3以上の異なった層材料を含有するMg2Siに基づく多層構造は、マグネシウムから窒素までの軽い元素の分析で改善された多層構造を提供することを証拠付けている。特定の適用による性能の柔軟性のために、と同様に分析計の全体的な性能を改善するために、追加の第3、第4以上の層が提供される。]
[0079] 上述の実施態様は、本発明の多数の可能性のある具体的な実施態様のごくわずかを単に説明するだけであることは当業者に明らかであるはずである。以下のクレームに定義されるような本発明の精神と範囲から逸脱しないで当業者は多数の及び種々のそのほかの配置を考案することができる。]
权利要求:

請求項1
X線を反射するための多層構造であって、少なくとも1つの周期内において個々の層がその表面に形成された基材を含み、前記周期内での個々の層の数が、少なくとも3であり、第1の層が珪化マグネシウム(Mg2Si)を含み、第2の層が珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、及び炭化ホウ素(B4C)の少なくとも1つを含み、第3の層がタングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物の少なくとも1つを含む、多層構造。
請求項2
前記第2の層が前記第1の層と前記第3の層の間に配置され、前記第2の層が炭化珪素(SiC)を含み、前記第3の層がタングステン(W)を含む、請求項1の多層構造。
請求項3
前記周期が少なくとも4つの個々の層を含み、第4の層が珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、及び炭化ホウ素(B4C)の少なくとも1つを含み、前記第2の層が第1の層と第3の層の間に配置され、第3の層が第2の層と第4の層の間に配置される、請求項1の多層構造。
請求項4
第1の周期の前記第1の層上に配置されるキャップ層をさらに含み、前記第1の周期の前記第1の層が当該キャップ層と前記第1の周期の前記第2の層との間に配置されており、前記キャップ層が珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2)及びそのほかの反射防止用酸化物の1つを含む、請求項1の多層構造。
請求項5
前記キャップ層が1つ以上の層の材料を含む、請求項4の多層構造。
請求項6
前記周期内の前記個々の層が実質的に同一の厚さを有する、請求項1の多層構造。
請求項7
前記周期内の前記個々の層が異なる厚さを有する、請求項1の多層構造。
請求項8
前記構造が100〜300の間の周期によって構成される、請求項1の多層構造。
請求項9
前記構造が50〜150の間の周期によって構成される、請求項1の多層構造。
請求項10
前記周期が1〜60ナノメートルの間の厚さである、請求項1の多層構造。
請求項11
前記周期が1.5〜10ナノメートルの間の厚さである、請求項1の多層構造。
請求項12
X線を反射するための多層構造であって、少なくとも1つの周期内において個々の層がその表面に形成された基材を含み、前記周期内での個々の層の数が、少なくとも2であり、第1の層が珪化マグネシウム(Mg2Si)を含み、第2の層が珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、及び炭化ホウ素(B4C)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、及びW、Ta、Co、Ni、Cu、Fe及びCrの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物の少なくとも1つを含み、前記周期が1〜60ナノメートルの間の厚さである、多層構造。
請求項13
第1の周期の前記第1の層上に配置されるキャップ層をさらに含み、第1の周期の前記第1の層が当該キャップ層と第1の周期の前記第2の層との間に配置されており、前記キャップ層が珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2)及びそのほかの反射防止用酸化物の1つを含む、請求項12の多層構造。
請求項14
前記キャップ層が1つ以上の層の材料を含む、請求項13の多層構造。
請求項15
前記周期内の前記個々の層が実質的に同一の厚さを有する、請求項12の多層構造。
請求項16
前記周期内の前記個々の層が異なる厚さを有する、請求項12の多層構造。
請求項17
前記構造が100〜300の間の周期によって構成される、請求項12の多層構造。
請求項18
前記構造が50〜150の間の周期によって構成される、請求項12の多層構造。
請求項19
前記周期が1.5〜10ナノメートルの間の厚さである、請求項12の多層構造。
請求項20
前記構造が、放物線状、楕円状、球状及びそれらの組み合わせの1つの曲線状のものである、請求項12の多層構造。
請求項21
前記構造が横に勾配のある及び深さに勾配のあるものである、請求項12の多層構造。
請求項22
前記周期が少なくとも3つの個々の層を含み、前記第2の層が珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、及び炭化ホウ素(B4C)の少なくとも1つを含み、第3の層がタングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物の少なくとも1つを含む、請求項12の多層構造。
請求項23
前記周期が、珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、及び炭化ホウ素(B4C)の少なくとも1つを含む第4の層を含み、前記第3の層が前記第2の層と前記第4の層との間に配置される、請求項22の多層構造。
請求項24
蛍光X線分光装置であって、試料上でX線放射の場を発するX線源と、少なくとも1つの周期内において個々の層がその表面に形成された基材を含む多層構造と、を含み、前記周期内での個々の層の数が、少なくとも3であり、第1の層が珪化マグネシウム(Mg2Si)を含み、第2の層が珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、及び炭化ホウ素(B4C)の少なくとも1つを含み、第3の層がタングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物の少なくとも1つを含み、前記試料が前記X線放射の場に応答して蛍光放射の場を発し、前記多層構造が前記蛍光放射の場を選択的に反射する、蛍光X線分光装置。
請求項25
前記周期が3つの層を含み、前記第1の層が前記周期内の最上層であり、前記第3の層が前記周期内の最下層であり、前記最上層が前記最下層より前に前記放射線に露出される、請求項24の装置。
請求項26
蛍光X線分光の方法であって、X線放射の場を提供し、分析される試料を前記X線放射の場によって照射し、それによって蛍光放射の場を誘導し、少なくとも1つの周期内において個々の層がその表面に形成された基材を含む多層反射体から前記蛍光放射の場を方向付けし、周期内での個々の層の数が、少なくとも3であり、第1の層が珪化マグネシウム(Mg2Si)を含み、第2の層が珪素(Si)、炭素(C),炭化珪素(SiC)、ホウ素(B)、及び炭化ホウ素(B4C)の少なくとも1つを含み、第3の層がタングステン(W)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、これらの元素の合金、酸化物、ホウ化物、珪化物及び窒化物の少なくとも1つを含み、前記試料を照射した後、前記蛍光放射の場を分析する、蛍光X線分光の方法。
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同族专利:
公开号 | 公开日
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引用文献:
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